photo by Toni Fish
今まで生き物を飼ったことがないというミッツ・マングローブさんが、ロケで訪れた熱帯魚店で出会って一目惚れ、思わずそのままお買い上げ♪ となったのが長い尾ひれが魅力的なベタでした。
ビンに入ったベタ
photo by William Chuang
ミッツさんが連れて帰ったベタくんもそうだったんですが、お店などでは、小ぶりのビンやグラスに入れられて展示されていることがよくあります。
もちろんエアレーション(空気ぶくぶく)なんてありません。
金魚などは水中の酸素が少しでも足りなくなって来ると、すぐに鼻上げをして、水面付近で口をパクパクとやり始めます。小さな頃からそんな姿を何度となく見て来たので、水中で生活する魚たちには、エアレーションは必要不可欠、ずっとそう思っていました。
そういえば、スーパーの魚売り場ですら、活きたカニやイカを売る時にはエアレーションしてましたっけ。エアレーションするくらいなら、もっと大きな入れ物にいれてあげればいいのに、っていっつも思いながら前を通り過ぎてます。
えぇ、そうなんです、生きたカニとかイカとか、もっと言うならアサリとかシジミとか、かわいそうすぎて自分では調理できないんです。あっ、ドジョウもね。
話それました。
かように、エアレーションってのはとにかく大切だと思い込んでいたわけですが、なぜかそのエアレーションを必要としないベタくん。
ビンの中で、ほとんど動かずにぼよ~んと浮かんでいることが多いので、ひょっとしたら活動量が少ないせいかしらん? などと思っていたのですが、ビンの中で生活するには生活するなりのちゃんとした理由がありました。
喧嘩っぱやいので単独でしか飼えない
photo by Rae134
ベタくんは「闘魚」と呼ばれるくらいに激しい攻撃性を持っています。特にオスは縄張り意識が強いのでオス同志が一緒の水槽にいると、一瞬にして尾びれや背びれを広げて威嚇、そして喧嘩を始めます。
しかもオスとメス、場合によってはメス同志でも攻撃しあうことがあるので、単独飼育(1匹だけで飼うこと。他の種類と一緒に飼育することは可)が基本になります。
ショップの空間は限られていますから、水槽ひとつにベタくん1匹よりも、ビンひとつにベタくんを1匹のほうが見た目も綺麗ですし管理も楽で一石二鳥というわけです。
エアレーションが苦手
photo by Awaya Legends
もともとは、水流のほとんどない水たまりのような水場出身のベタくん。水の流れがどうにも苦手です。
エアレーションでぶくぶくされると、ふわふわっとした綺麗なヒレも傷んできますし、時には体調を崩してしまうこともあります。
なので、グラスではなく水槽で飼う場合でもエアレーションやフィルターを使用しないことが多いようです。使用するにしても水流が直接ベタくんにあたらないようにしたり、水流ができない程度のごくごく弱い設定にするなど工夫が必要になります。
ラビリンス器官で空気呼吸。これ最強!
photo by Daniella Vereeken
気が荒いから、エアレーションが苦手だから……それだけの理由ですべての魚がグラスで飼えるわけではありません。
ベタくんはエラの部分に「ラビリス器官」と呼ばれる特殊な器官を持っているのです。
ラビリンス器官というのは、迷宮(ラビリンス)のように複雑な器官とも言われておりまして、この器官があることで水面から大気中の酸素を直接取り込むことができるというわけです。
喧嘩好き。
エアレーション嫌い。
水面から空気だって吸えちゃう。
この3つの条件をそろえたベタくんだからこそ、可能となったグラス飼育。
それでも出来れば水槽でね
どんぶりで金魚を飼うという「どんぶり金魚」よりは無理のない飼い方かと思いますが、それでも小さな容器だと水が汚れやすかったり、水温が変化しやすかったりとベタくんにとっては決して最高の環境ではありません。
グラスでの飼育は短期間のものと割り切って、ぜひともちゃんとした水槽で飼ってあげて下さい。
ベタくんも大喜びですし、そんな元気なベタくんを観ている飼い主もうれしいWin-Winの関係がきっと築けることと思いますよん♪