photo by gill_penney
パンダのシッポは何色?
と聞かれて「白!」と自信を持って答えられる人はかなりのパンダ好きとお見受けいたします。
自然に作られた色分けとは思えない、パンダのあの白黒の絶妙な配色バランスをみていると、ついつい「シッポは黒」と答えたくなってしまう人も多いのではないでしょうか。
白黒問題は、1972年のパンダ初来日にさかのぼる
photo by WillSowards
中国からカンカンとランランの2頭のパンダが上野動物園にやって来たのは1972年のこと。日中国交正常化を記念しての日本へのプレゼントでした。
当時を知っている人なら記憶にあると思いますが、それはそれはものすごい熱狂ぶりでした。
パンダのぬいぐるみもわんさか売れました。
けれど、このパンダのぬいぐるみにはひとつだけ問題があったのです。そうシッポが黒だったのです。
そうだパンダのぬいぐるみを作ろうと思ったオモチャメーカーさん。用意したパンダの写真はどれもこれも後ろ姿が写っていませんでした。後ろ姿がわからないことには、シッポの色もわかりません。
インターネットなどなかった時代のこと。
目のまわりが黒、耳が黒、手足が黒。となればシッポもおそらく黒だろう……と思ったのかどうかは知りませんが、最終的に作られたのが黒色シッポのパンダのぬいぐるみでした。
爆発的に売れたパンダのぬいぐるみが、のちのシッポは黒の誤解に結びついてしまったのだろうことは簡単に想像できます。
それから40年以上の時をへて。
豆知識や雑学、クイズなどで繰り返しパンダのシッポは白、白、白、と言われるようになり、「へぇ、そうなんだ知らなかった」「えっ、びっくり」「てっきり黒だとばかり思っていた」というようなリアクションが繰り返され。
最近になってようやくパンダのシッポは白という認識が広がって来たように思います。
ところが。
いまだ、かたくなに黒色シッポの伝統を守り続ける頑固者を発見してしまいました。
その名は「たれぱんだ」
1995年にデビューをはたしたサンエックス出身のゆる~いパンダのキャラクター。今でこそサンエックスといえばリラックマが有名ですが、当時はたれぱんだの人気もかなりのものでした。
何よりも、書籍「たれぱんだ」に描かれている細かく設定されたたれぱんだの世界観が最大の魅力でした。
いつもべた~っと平べったく、ゆるゆるなパンダちゃん。
お尻にちょこんと生えている可愛いシッポは黒色で……ん?、クロォーッッ??
そうなんです、黒なんです。
たれぱんだが流行っていた頃は、私自身まだパンダのシッポが白だなんて知らなくて、というか深く考えたこともなくて、たれぱんだ見ているとなんだか癒やされるわぁ、くらいにしか思っていなかったのですが、今になって見ると黒なんです。
サンエックスのデザイナーの方が間違えちゃった?
でも、それなら途中でこっそりと白に変えちゃっても良さそうなものなのに。
などあれこれ考えてみたりもしたのですが、結論はかなりあっさりしたものでした。
「たれぱんだ」は「たれぱんだ」であってパンダではない
「たれぱんだ」という名前から、パンダをモチーフにしたキャラクターだとばかり思っていたのですが、「たれぱんだ」は「たれぱんだ」であってパンダではないというのが正解のようです。
パンダのような生物ではあるけれど、パンダではなく宇宙からやって来た生物という仮説すらある独自の生き物というわけです。
なので、シッポは白じゃなくて黒。決して間違えたわけではない、と。
うむ。
う、うむ。
ううう、う~む。